
月に叢雲(むらくも)花に風とは、月に雲がかかり、美しい花も風に散ってしまう様から、良い事には邪魔が入りやすく、思うようにいかない事の例えとして使われます。
好事魔多しとも言います。
月に叢雲 花に風
儚げで美しい表現であるため、様々な文学に引用されてきました。
井伏鱒二の漢詩の訳にも、このようなものがあります。
花に嵐のたとえもあるぞ
さよならだけが人生だ
浮世はままならないものだから
惜別の時を楽しもうという意味と考えられます。
タイミングが大事
きれいな月も雲に隠れ、花も風で散ってしまう。この事から分かるのは、タイミングが大事という事です。
チャンスの神様には前髪しかないという諺もあります。チャンスはすぐに去ってしまうため、後ろ髪ではなくすぐに掴む必要があるんですね。人生の中で、大きなチャンスは何度か巡ってきます。チャンスとは、大きな愛に繋がる切っ掛けの事です。これだと感じたら、逃さない事が大事なんですね。
チャンスは自分を越えるための試練でもある
もうひとつ大切なのは、調子がいい時ほど気を付けなければいけないという事です。好事魔多しとも言います。
物事がうまく行っている時は、調子に乗って失敗しやすいんですね。また自分の愛が試される時でもあります。邪念があるとつまずく事になります。だから、謙虚さが大切とか、勝って兜の尾を締めよというんです。
人間、成長するために試練が与えられます。今までの限界を越えるための試練を与えられて、苦しくなるんですね。私も偉そうな事を言えるような人間では無いのですが、自分の弱い心を言い訳にする癖がついていると、いざという時に違う方を選んでしまいます。普段から愛を選んでいると、ここぞという時に間違いが少なくなります。
月に叢雲 花に風。
人生は常に今です。今を大切に、愛を生きると良いのですね。