
スピリチュアルペインとは、終末期の患者さんにおいて、人生の意味や目的、自己の存在価値の喪失、死への恐怖などによって生じる苦痛の事です。一般的な話ではなく、医師としての私の経験からお話します。
私が、後期研修医だった頃、ある末期がんの患者さんの担当になりました。抗がん剤か、緩和医療の選択をする場面でした。当時はいい治療薬が無く、私は内心緩和医療の方が良いかもしれないと思っていました。患者さんが「先生どうしたらいいですか?」と聞いてきたので、ご本人の意志を確認すると、ポロポロ泣きながら「生きたいです」とおっしゃられたのが印象的でした。その時に、医学的な事とは別に、その人の生き方に寄り添う事が大事だと学びました。
私自身も、病気を経験しました。病気になったり、年を重ねると今まで出来ていた事が出来なくなります。そのために自信が揺らいだり、生きていく事への不安が生じます。でも、そういう体験が自分自身の糧になっています。自分が体験して初めて人の苦しみに共感できる事も多いですね。
つらい事も成長に繋がるとすれば、そこに「意味」を見出す事が出来るでしょう。
共感の対象は患者さんだけではなく、一緒に働いている人達も含みます。私は、若い頃は自分の事ばかりでしたが、周囲の人を観察して、自分に無い良い所を見るようにしています。医師だけでなく、看護師やその他の職種も尊敬するところばかりです。
患者さんのスピリチュアルペインに向き合うには、答えを与える事ではなく、寄り添う事が大切とされます。
医は仁術というように、人間としての総合力が大切です。
優れた医療従事者に共通しているのは、愛がある事です。一生懸命患者さんのために尽している人はたくさんいます。
目の前の人に尽すだけではなく、日頃から愛についてしっかり考えていると、大きな愛を生きる事が出来ます。
時々患者さんから、先生だったらどうしますかと聞かれる事があります。そういう時はあえて答えず、あなたはどう思いますかと尋ねます。そうすると、患者さんは自分自身で答えを出します。
大切な事は、自分の中に愛を確立する事です。それが自分自身の危機を乗り越える力にもなります。
すべては愛であり、命は永遠です。肉体の死は存在しても、存在が消える事はありません。
すべての人がその事を知ると良いのですが、そうでない現状では、相手の価値観や死生観を尊重して寄り添うのがベストですね。
今まで築き上げたものが崩れると、生きている意味や価値観の喪失が起こります。しかし、つらい時ほど愛を感じたり、高みに上る事が出来ます。
生老病死のうち、老病死はチャンスなんです。大きな愛を経験しているんですね。かわいそうな人としてではなく、立派な存在として扱うと、自分自身も他者も救われます。
かわいそうな人ではなく立派な存在として・・・
素的ですね(^^) 覚えておこうと思います
よく全ては愛と言います
でも愛である人でいることは
付け焼刃で出来ることではなく
日ごろから愛を考える事を習慣にするくらいで
やっとなんですよね(^^ゞ
あやこさん
親切にする事は出来るんですけどね。(背中で)道を示す事は普段からの生き方にかかってますよね。
老病死はチャンスであり、大きな愛を経験しているのですね。
そういった深い体験の中、思い出したい大切なメッセージだと感じます(^^)
弘美さん
ありがとうございます。大変だ~というのと、大変に貴重な体験をしているという感覚が同居してますよね。ただネガティブな出来事にしないためには、普段から愛を生きる事が大事ですね。
病気らしい病気をして来なかっただけに 今回の病気でスピリチュアルペインを少し味わいました
みのるさん
お疲れ様です。病気をすると人の気持ちが分かったり、より自分の道が分かるような気がします。
>つらい時ほど愛を感じたり、高みに上る事が出来ます。
危機や痛みを感じても大きな愛に繋がる道が
常に人の心にあるのだなと感じました。
命の尊さ=愛を大切にしてゆこうと思います(^^)
美和子さん
愛に繋がれば案外なんとかなっているものなのかもしれませんね。
チャンスという言葉に希望を感じますね
つらい時こそ愛や光を感じられるいうのも実際その通りだなと思ってます
大変なことがあっても愛を思い出すきっかけにしたいですね
ミラクルさん
楽しい時は流されやすいですよね。いつでもチャンスはあるのでしょう。